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貴社名 提供|仕事と介護の両立支援
介護があっても、自分らしく働くあなたへ

仕事と介護の
両立ハンドブック

〜 知っておけば、あわてない。はじめての介護の備え 〜
「まだ先のこと」と思っていませんか?

介護は、ある日とつぜんではなく、少しずつ近づいてきます。早めに気づいて備えておけば、あわてずに、仕事を続けながら向き合えます。このハンドブックは、その第一歩をやさしくお手伝いします。

従業員向け配布版
働く人のための実践ガイド / はじめての方向け
まずはここへ

あなたの会社の相談窓口

仕事と介護の両立は、ひとりで抱え込まないことが第一歩です。貴社では、次の窓口で相談を受け付けています。困ったとき・迷ったときは、まずご連絡ください。

社内の相談窓口
窓口名
(社内の相談窓口名を入力してください)
電話
(電話番号)
メール
(メールアドレス)
受付時間・担当
(受付時間・担当)
社外の相談先
会社からのお知らせ・特記事項
公的な相談窓口も使えます
会社の窓口とあわせて、親御さんがお住まいの地域の「地域包括支援センター」にも無料で相談できます(詳しくはP6)。「介護が始まる前」でも大丈夫です。
仕事と介護の両立ハンドブック 
はじめに

このハンドブックについて

働きながら家族の介護を担う人は、いま全国に約365万人いるといわれます。介護は育児と違って時期を選べませんが、多くの場合、親の変化として徐々に近づいてきます。だからこそ、早めに気づいて備えることができます。

大切なのは、ひとりで抱え込まないこと。そして、いざという時に「どこに相談すればいいか」を先に知っておくことです。本書は、介護がまだ身近でない方にも読みやすいよう、基礎知識から最初の一歩までをまとめた一般的なガイドです。

このハンドブックで分かること

  • 介護が始まったとき、最初に何をすればいいか
  • 公的介護保険のしくみと、使える制度・サービス
  • 仕事と介護を無理なく両立するための考え方
  • 会社の休業・休暇制度や、お金にまつわる備え
  • 家族や職場との上手なコミュニケーション

3つの使い方

① 今すぐ
最低限を読む
「いざという時、最初にすること」(P6) だけ読んでおく
② 不安な時
必要な所を開く
気になるページを開いて、できることを確認する
③ 家族と
話し合いに使う
話し合いのきっかけ・チェックリストとして使う
はじめに、ひとつだけ覚えてください
困ったら、まず「地域包括支援センター」へ。65歳以上の方の暮らしの相談を無料で受けてくれる、公的な窓口です。介護が始まる前でも相談できます。(詳しくはP6)

※本書は一般的な情報をまとめたものです。制度の詳細・最新の取り扱いは、お住まいの自治体やお勤め先の人事担当窓口でご確認ください。記載の制度内容は2025年4月施行の改正育児・介護休業法等を参考にしています。

仕事と介護の両立ハンドブック02
CONTENTS

目次

あなたも、親御さんも、大丈夫です。まずは1ページ、気になるところから読んでみましょう。

04データで見る「仕事と介護」
05介護のために、仕事をやめないで
06いざという時、最初にすること
07公的介護保険のしくみ
08要介護認定の流れ
09ケアマネジャーと介護サービスの種類
10介護保険以外の高齢者福祉サービス
11両立のための7つのポイント
12介護にかかるお金と備え
13知っておきたい会社の制度(法定)
14つらくなったら「レスパイト」
15施設の種類とタイミング
16認知症の基礎知識と接し方
17親・家族とのコミュニケーション
18職場でのコミュニケーション
19遠距離介護という選択肢
20困ったときの相談先&チェックリスト
読み方のヒント
時間がない方は、まず P6(最初にすること)P11(両立の7つのポイント)P20(相談先チェックリスト) の3ページだけでも目を通しておくと安心です。
仕事と介護の両立ハンドブック03
現状を知る

データで見る「仕事と介護」

介護は決して特別なことではなく、多くの働く人が直面する身近なテーマです。まずは「自分にも起こりうる」と知ることが、備えの第一歩です。

約365万人
働きながら介護をしている人
(ビジネスケアラー)
約10万人
1年間に介護を理由に
離職する人
約3人に1人
75歳以上で介護や支援が
必要になる割合

出典:総務省「就業構造基本調査」、厚生労働省「介護保険事業状況報告」等をもとに作成。

介護は「徐々に近づいてくる」もの

介護のきっかけは、脳血管疾患(脳卒中など)や、認知症、骨折・転倒などが多くを占めます。急な入院で気づくこともありますが、その前には「物忘れが増えた」「歩くのが遅くなった」「食事の支度が大変そう」といった小さな変化が表れていることが少なくありません。サインに早く気づくほど、予防や備えに動けます。

40代・50代に多く、20〜30代にも

介護に直面しやすいのは、仕事の責任が重くなる40〜50代です。一方で、20〜30代でも親族の介護に関わる人は一定数います。役職や年齢にかかわらず、誰にでも起こりうると考えておきましょう。

知っておきたい「2025年問題」
団塊の世代がすべて75歳以上となり、介護を必要とする人が急増する局面に入りました。働きながら介護する人はさらに増えると見込まれ、企業にとっても「介護離職をどう防ぐか」が大きな経営課題になっています。
ポイント
「自分が直接介護をしない場合」でも、手続きや調整役として関わることはよくあります。家族の中で誰がどう関わるかを、元気なうちに話しておくと安心です。
仕事と介護の両立ハンドブック04
大切な前提

介護のために、仕事をやめないで

「介護に専念するため」に退職を考える人がいますが、多くの専門家は「介護離職は避けたほうがよい」と伝えています。理由を知っておきましょう。

仕事をやめても、介護は終わらない

介護は数年〜十数年続くこともあります。仕事をやめると収入が途絶える一方で、介護そのものは続くため、経済的にも精神的にも負担がかえって大きくなりがちです。再就職も簡単ではありません。

「自分の暮らし」を前提に、介護体制を整える

介護に合わせて働き方を縮めるのではなく、「自分はどう働き、どう暮らしたいか」を前提に、介護の体制を組み立てるのが両立のコツです。介護休業は「介護に専念する期間」ではなく、サービスを整えるための準備期間と考えましょう。

あなたは「プレイヤー」ではなく「マネジャー」に

入浴や移動などの身体的な介護は、できる限りプロに任せます。家族は自分で全部抱え込むのではなく、サービスを組み合わせて「介護全体を管理する人(マネジャー)」を目指すと、長く続けられます。

介護離職のボーダーライン
平日に平均2時間、休日に平均5時間を超えて家族が介護を担うと、離職につながりやすいという調査があります。「がんばりすぎ」のサインに気づいたら、サービスの追加を検討しましょう。
仕事と介護の両立ハンドブック05
いちばん大事

いざという時、最初にすること

介護が必要になったら、家族だけで抱え込まず、まずプロに相談します。その入り口が「地域包括支援センター」です。

STEP1 地域包括支援センターに連絡する

地域包括支援センターは、65歳以上の方の暮らしの相談を無料で受け付ける公的窓口で、全国の市区町村に設置されています。親御さんがお住まいの地域の担当センターに連絡しましょう(あなたが遠方でも電話相談できます)。

① 相談
包括支援センターに電話・来所で相談
② 見立て
状況に応じて必要な手続きやサービスを案内
③ つながる
要介護認定の申請やケアマネジャーへ橋渡し

STEP2 連絡先を控えておく

いざという時のために、今のうちに調べて書いておきましょう。

担当の地域包括支援センター名 
電話番号 
親御さんの住所・生年月日 
介護が始まる前でも相談OK
「最近、買い物や食事の準備が大変そう」「認知症予防に何かできないか」など、要介護認定の前の心配ごとでも相談できます。早めに動くほど、本人の抵抗感も小さくすみます。
仕事と介護の両立ハンドブック06
基礎知識

公的介護保険のしくみ

日本には、介護が必要になった人を社会全体で支える「公的介護保険制度」があります。原則1〜3割の自己負担で、さまざまなサービスを利用できます。

だれが対象?

区分対象利用できる条件
第1号被保険者65歳以上の方原因を問わず、要介護・要支援と認定されたとき
第2号被保険者40〜64歳の方加齢に伴う特定の病気(特定疾病)が原因のとき

自己負担はどれくらい?

サービス費用の原則1割(所得が高い方は2割または3割)が自己負担です。残りは介護保険でまかなわれます。1か月の自己負担には上限があり、超えた分は「高額介護サービス費」として払い戻される制度もあります。

利用までの大きな流れ

①相談
地域包括支援センター
②申請
市区町村に要介護認定を申請
③認定
要支援1〜要介護5を判定
④利用
ケアプランを作りサービス開始
覚えておきたい
介護保険サービスを使うには、まず「要介護認定」を受けることが必要です(次ページ)。申請は本人・家族のほか、地域包括支援センターやケアマネジャーが代行することもできます。
仕事と介護の両立ハンドブック07
手続き

要介護認定の流れ

介護保険サービスを使うための入り口が「要介護認定」です。申請から認定まで、おおむね1か月程度かかります。

申請から認定まで

  • 申請:市区町村の窓口に申請書を提出(本人・家族・代行可)
  • 訪問調査:調査員が本人を訪ね、心身の状態を聞き取り
  • 主治医意見書:かかりつけ医が本人の状態について意見書を作成
  • 審査・判定:コンピュータ判定と専門家による審査会で判定
  • 認定通知:要支援1〜2、要介護1〜5、または非該当を通知

区分の目安

要支援 1・2
日常生活はほぼ自立しているが、一部に支援が必要。介護予防を中心としたサービスを利用。
要介護 1〜5
数字が大きいほど必要な介護の量が多い状態。在宅・通所・施設など幅広いサービスを利用。
ポイント
認定結果は原則1〜数年で見直しされます。状態が変わったときは「区分変更」の申請もできます。認定を待つ間でも、緊急時は暫定的にサービスを使える場合があるので相談しましょう。
仕事と介護の両立ハンドブック08
サービスを知る

ケアマネジャーと介護サービスの種類

頼れるパートナー「ケアマネジャー」

ケアマネジャー(介護支援専門員)は、本人や家族の希望を聞いて「ケアプラン(介護の計画)」を作り、サービス事業者との調整をしてくれる専門職です。要介護認定を受けると、無料で相談・調整を依頼できます。介護のいちばんの相談相手になります。

在宅で使える主なサービス

タイプ主なサービス内容
訪問型訪問介護(ヘルパー)、訪問看護、訪問入浴自宅に来てもらい、生活・身体・医療の支援を受ける
通所型デイサービス、デイケア(通所リハビリ)施設に通い、入浴・食事・機能訓練・交流を行う
短期入所型ショートステイ一時的に施設へ宿泊。家族の休息(レスパイト)にも
環境整備福祉用具のレンタル・購入、住宅改修手すり・杖・ベッド等のレンタルや、段差解消などの改修

「介護=施設」のイメージがありますが、施設入居時の平均年齢は85歳前後で、実際にはまず自宅で在宅サービスを利用するケースが多くあります。

本人が「他人の世話は嫌」と言うときは
いきなり身体介護ではなく、福祉用具のレンタル(手すり・杖など)から始めると抵抗が少なめです。まずは「家族以外にプロの担当者が一人でもいる」状態を目指しましょう。
仕事と介護の両立ハンドブック09
選択肢を広げる

介護保険以外の高齢者福祉サービス

高齢期の暮らしを支えるしくみは、介護保険だけではありません。自治体独自のサービスや民間サービスも組み合わせられます。

介護保険サービス自治体の高齢者福祉サービス民間サービス
要介護認定が必要・全国共通
・ケアマネジャー(無料)
・ヘルパー、デイサービス
・福祉用具レンタル
(1〜3割負担)
認定がなくても使える場合あり
・見守り、安否確認
・配食(一部補助)
・ゴミ出し等の生活支援
・緊急通報装置の補助 等
全額自己負担(補助が出る場合も)
・家事代行
・通院の付き添い
・介護タクシー
・見守りサービス 等

「介護はまだ」という段階でも使えるもの

緊急通報装置
ボタンを押すと24時間対応のコールセンターにつながり、安否確認のうえ必要に応じて連絡・出動。自治体の利用補助があることも。
配食(見守り)サービス
栄養バランスのよいお弁当を届けながら、手渡しで安否も確認。「介護」への抵抗が少なく、最初の一歩におすすめ。
デジタル機器の活用も
見守りカメラ、人感センサー、服薬支援ロボット、ビデオ通話など、デジタル機器を使えば離れていても様子を確認できます。本人の見守りと、家族の安心の両方に役立ちます。
仕事と介護の両立ハンドブック10
両立のコツ

両立のための7つのポイント

仕事を続けながら介護に向き合うために、覚えておきたい7つの考え方です。

1抱え込まず、早めにプロへ相談する
家族だけでがんばる前に、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談を。
2自分の暮らしを前提に体制を組む
働き方を縮めるのではなく、サービスで支える前提で考える。
3自分は「マネジャー」になる
身体介護はプロに任せ、家族は全体の調整役に。
4使える制度・お金はすべて使う
介護保険・自治体サービス・会社の制度・給付金を最大限活用。
5職場に早めに共有しておく
普段から話せる関係をつくり、いざという時に相談しやすく。
6自分の心と体も大切にする
休息をとり、ときにはサービスに頼る。介護者の健康が最優先。
7完璧を目指さない
「100点の介護」ではなく「続けられる介護」を。頼ることは弱さではありません。
仕事と介護の両立ハンドブック11
お金のこと

介護にかかるお金と備え

漠然とした不安の多くは「お金」です。目安を知り、使える制度を押さえておくと安心です。

費用の目安(あくまで一般的な目安)

項目目安
介護が始まる時の一時的な費用(住宅改修・福祉用具など)数十万円程度
在宅介護の月々の費用(自己負担分の平均)月 数万円程度
施設に入居する場合の月額十数万〜数十万円

※費用は要介護度・地域・施設の種類により大きく異なります。実際の金額はケアマネジャー等にご確認ください。

負担を軽くする主な制度

  • 高額介護サービス費:1か月の自己負担が上限を超えた分が払い戻される
  • 高額医療・高額介護合算制度:医療と介護の年間負担が高い場合に軽減
  • 介護休業給付金:雇用保険から、休業前賃金の67%が支給される(条件あり)
  • 各種税制:医療費控除・障害者控除など、確定申告で軽減される場合も
大切な備え
介護費用は「親のお金は親のために使う」が基本です。親御さんが元気なうちに、預貯金・年金・保険・通帳やお金の保管場所などを、さりげなく共有しておきましょう。
仕事と介護の両立ハンドブック12
会社の制度

知っておきたい会社の制度(法定)

「育児・介護休業法」により、働きながら介護をする人を支える制度が法律で定められています。会社ごとに独自の上乗せ制度がある場合もあるので、人事窓口でも確認しましょう。

制度内容(概要)
介護休業対象家族1人につき通算93日まで、3回まで分割して取得可能
介護休暇対象家族1人なら年5日、2人以上なら年10日まで。1日/時間単位で取得可
短時間勤務等の措置短時間勤務・フレックス・時差出勤などのいずれかを利用できる
所定外労働の制限残業を免除してもらえる(介護終了まで請求回数の制限なし)
時間外・深夜業の制限一定時間を超える残業や、深夜(22〜翌5時)労働の制限を請求できる
不利益取扱いの禁止休業等を理由とした解雇・降格などの不利益な取扱いは禁止
2025年4月から、ここが変わりました
  • 会社は介護に直面した社員へ、制度を個別に知らせ・意向を確認することが義務に
  • 40歳など節目の社員へ、介護制度の情報提供が義務化
  • 介護のためのテレワーク導入が会社の努力義務に
  • 勤続6か月未満でも介護休暇が取れるよう要件が緩和
「対象家族」とは
配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫。要介護認定を受けていなくても、2週間以上常時介護を必要とする状態なら介護休業の対象になり得ます。

※上記は2025年4月施行の改正育児・介護休業法に基づく概要です。詳細・最新の内容は厚生労働省や勤務先の規定をご確認ください。

仕事と介護の両立ハンドブック13
無理をしない

つらくなったら「レスパイト」

「レスパイト」とは“小休止・息抜き”のこと。介護する人が一時的に介護から離れて休むための支援です。休むことは、長く介護を続けるために必要な権利です。

休むための具体的なサービス

  • ショートステイ:本人が数日〜短期間、施設に宿泊。家族はまとまった休息がとれる
  • デイサービス:日中、本人が施設で過ごす間、家族は仕事や用事に専念できる
  • 訪問介護(ヘルパー):一定時間、プロに任せて自分の時間を確保

こんなサインに気づいたら

  • よく眠れない、食欲がない、疲れがとれない
  • イライラして本人や家族にあたってしまう
  • 何をしても楽しめない、気分が沈む
  • 「自分がやらなければ」と一人で抱え込んでいる

ひとつでも当てはまったら、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談を。介護者自身の支援も、立派な相談内容です。

覚えておいて
介護者が倒れてしまっては、介護そのものが続けられません。「休むこと」は、わがままではなく必要なケアです。一度深呼吸して、空を見上げる時間も大切にしてください。
仕事と介護の両立ハンドブック14
在宅が難しくなったら

施設の種類とタイミング

在宅での介護が難しくなったときは、施設という選択肢もあります。種類によって費用・対象・サービスが異なります。

主な施設特徴
特別養護老人ホーム(特養)公的施設で比較的費用が安い。原則要介護3以上。人気が高く待機がある場合も
介護老人保健施設(老健)在宅復帰を目指すリハビリ中心の施設。一時的な利用が中心
介護付き有料老人ホーム民間運営。費用は幅広いが、手厚いサービスを受けやすい
サービス付き高齢者向け住宅見守り・生活相談付きの賃貸住宅。比較的自立した方向け
グループホーム認知症の方が少人数で共同生活し、専門的なケアを受ける

検討するタイミングの目安

  • 在宅サービスを増やしても、家族の負担が限界に近い
  • 医療的なケアや、24時間の見守りが必要になった
  • 本人の安全を自宅で確保するのが難しくなった
早めに情報収集を
施設は申し込んですぐ入れるとは限りません。余裕のあるうちに候補を見学・比較しておくと、いざという時に落ち着いて選べます。まずはケアマネジャーに相談しましょう。
仕事と介護の両立ハンドブック15
そなえる

認知症の基礎知識と接し方

介護のきっかけとして多いのが認知症です。正しく理解し、適切に対応することで、本人も家族も穏やかに過ごしやすくなります。

早期発見が大切

「同じことを何度も聞く」「日付や約束を忘れる」「片付けや料理が苦手になった」などの変化に気づいたら、早めにかかりつけ医や地域包括支援センターに相談を。早期に対応するほど、進行を緩やかにしたり、適切な支援につなげやすくなります。

接し方の基本

  • 否定しない・叱らない:間違いを正そうとせず、まず受け止める
  • 急がせない:本人のペースを尊重し、ゆっくり話す
  • 笑顔と安心:表情や声のトーンは伝わります。穏やかに接する
  • できることは奪わない:見守りながら、本人の力を活かす
家族の心の段階
家族は「とまどい・否定」→「混乱・怒り」→「割り切り」→「受容」と気持ちが移り変わるといわれます。最初はつらく感じても、それは自然なこと。同じ立場の家族の会(家族会)や専門職に気持ちを話すことも、大きな助けになります。
ひとりで悩まないで
認知症の相談窓口や、認知症の人と家族の会など、支える人を支えるしくみがあります。「認知症かも」と思ったら、まず地域包括支援センターへ。
仕事と介護の両立ハンドブック16
家族と話す

親・家族とのコミュニケーション

「介護を受けたくない」と感じる親御さんは少なくありません。正面からの説得より、抵抗の少ない入り口を一緒に探すのがコツです。

説得の3つの工夫

1だれが言うか
家族の言うことは聞かなくても、医師・専門職・孫・近所の人の言葉なら届くことがあります。言いにくいことは第三者に任せると、家族間のもめごとも防げます。
2何を言うか
「介護」という言葉に抵抗があるなら、福祉用具レンタルや配食・家事代行など、ハードルの低いものから提案しましょう。
3どんな理由にするか
「衰えたから」ではなく、「私が心配だから」というアイ・メッセージや、「お父さんならできると思って」と頼る形にすると受け入れられやすくなります。
元気なうちに話しておきたいこと
  • どこで・どんなふうに暮らしたいか(本人の希望)
  • かかりつけ医・持病・飲んでいる薬
  • お金のこと(年金・預貯金・保険・保管場所)
  • もしものときに連絡してほしい親族・知人

昔の写真を一緒に見るなど、自然な会話の中で「これからのこと」に触れると、本人の大切にしてきた価値観が分かり、いざという時の判断の助けになります。

仕事と介護の両立ハンドブック17
職場と話す

職場でのコミュニケーション

仕事と介護の両立には、職場の理解が欠かせません。お互いの「すれ違い」を知っておくと、相談しやすくなります。

介護をする人(部下)へ

  • 普段から、家庭の状況をさりげなく共有しておく(いざという時に相談しやすい)
  • 「休みたい」より先に「どう働き続けたいか」を伝える
  • 仕事を一人で抱え込まず、引き継ぎや分担を相談しておく

上司・周囲の人へ

  • すぐに「休む?」と聞くより、まず落ち着いて話を聞く
  • 「焦って生活を大きく変える決断は避けて、まずプロに相談を」と促す
  • そのうえで「調整が必要なら会社としてサポートする」と伝える
よくあるすれ違い
親身な上司ほど「休みが必要なら調整するよ」と先回りしがちですが、本人は必ずしも休みたいわけではありません。多くの人が望むのは「仕事も続けながら介護も乗り切る」こと。まずは話を聞く姿勢が、両立支援の第一歩です。
育児と介護の両方を担う「ダブルケア」や、高齢の家族が高齢の家族を介護する「老老介護」など、事情は人それぞれ。決めつけず、一人ひとりの状況に合わせて対話することが大切です。
仕事と介護の両立ハンドブック18
離れていても

遠距離介護という選択肢

親御さんと離れて暮らしていても、介護はできます。「同居して直接介護する」だけが正解ではありません。

遠距離介護のコツ

  • 地元の支援者とつながる:地域包括支援センター・ケアマネジャー・近所の人が現地の目になる
  • サービスを厚めに組む:訪問・通所・配食・見守りを組み合わせて日常を支える
  • デジタルで見守る:見守りカメラ・センサー・ビデオ通話で離れていても様子を確認
  • 交通費の割引を活用:帰省の負担を減らす介護割引などを調べておく
無理に同居・呼び寄せをしない
「自分が引き取らなければ」と抱え込む必要はありません。住み慣れた地域を離れることが、かえって本人の負担になることもあります。本人の希望と、家族の生活の両方を尊重して選びましょう。
遠くにいる家族こそ「マネジャー」に
直接の介護が難しいぶん、情報を集め、サービスを調整し、現地の支援者と連携する「司令塔」の役割が活きます。電話やオンラインでの相談も活用しましょう。
仕事と介護の両立ハンドブック19
まとめ

困ったときの相談先&チェックリスト

主な相談先

相談先こんなとき
地域包括支援センター高齢の家族の暮らし全般の相談(まずはここ)
ケアマネジャー要介護認定後のケアプラン作成・サービス調整
市区町村の介護保険窓口要介護認定の申請、各種給付・補助の手続き
勤務先の人事・総務窓口介護休業・休暇・短時間勤務など会社の制度
かかりつけ医本人の体調・認知症の心配ごと

今すぐできる! 5分の備えチェック

  • 親御さんの住所地の地域包括支援センターを調べた
  • その連絡先を控えた(P6)
  • かかりつけ医・持病・薬を把握している
  • お金のこと(年金・預貯金・保険)をおおまかに知っている
  • もしもの時の連絡先を家族で共有している
  • 勤務先の介護に関する制度を確認した
完璧でなくて大丈夫
「困ったら、まず地域包括支援センター」。これだけ覚えておけば、はじめの一歩は踏み出せます。
仕事と介護の両立ハンドブック20

あなたも、親御さんも、
大丈夫です。

介護は、いつか多くの人が向き合うこと。
ひとりで抱え込まず、知識と制度を味方につければ、
仕事を続けながら、自分らしく乗り越えていけます。
このハンドブックが、その第一歩になりますように。

まず、ひとつだけ。
困ったら ——「地域包括支援センター」へ相談を。
  | 仕事と介護の両立ハンドブック(従業員向け配布版)
本書は一般的な情報をまとめたものです。制度の詳細は自治体・勤務先にご確認ください。